「型入れ」は、部位によって厚みや硬さがそれぞれに異なる革の個性と状態を見極め、ランドセルのどの部分に使うかを決めていく作業。傷やシワのある部分を取り除く必要があり、熟練した技術・見極める知識が不可欠です。
地面や壁とぶつかりやすく、丈夫さを求められる底面の角は、「きざみ」という技法で角に合わせて生地を寄せることで、丈夫に仕立てられます。反対側の背中に当たる部分は「きざみ」がなく、生地がピンと張った美しい状態に。片側により多くのひだが集中するため、高い技術が求められます。 ※「菊寄せ」とも言う。
無駄なものと思われがちなランドセルの背面の縁取り「へり」や底面まで回り込んだ「かぶせ」。これら外周部分は凸部になるため、側面〜底面の大部分が擦れや衝撃などから守られる効果があります。
衝撃に強く丈夫で、使い込むうちに形状がなじんでいきます。製造過程でクロムやタンニンでなめし、表面に樹脂塗装を施すことで耐熱性・耐久性が高まります。
特に分厚い背面の芯材を中心に、前後、左右から底面を囲うように芯材を使用。樹脂繊維の積層構造により、丈夫なまま軽く仕立てられます。側面、大マチの取り出し口には補強板を追加して二重構造化。さらに各収納の仕切りや、錠前金具がそれぞれを支え合うことで、丈夫なランドセルが完成します。箱型を保つ丈夫さを持ちながら、上からの力を逃がす柔軟性も持っている、ランドセル独自の構造です。 ※形状が製品によって若干異なります。
かぶせと呼ばれるフタが、本体をすっぽり包み込むように設計された構造。中の本体が覆われることで、擦れから守られます。
天然皮革に類似させてつくった人工的な素材。軽量で撥水性があります。また、鮮やかな染色ができ、色持ちも安定するため加工がしやすく、さまざまなバリエーションが展開されています。
牛革ストロング#09、#00
表面に防水ウレタン加工を施し、傷はもちろん雨にも強く。牛革本来の特徴である引き裂きや型くずれに対しても強く、6年間安心してお使いいただけます。#09と#00で、表面のシボ感が異なります。
牛革本来の風合いを活かすため、ウレタン加工はあえておこなっていません。牛革ならではの風合いと、丈夫さのバランスの取れた天然皮革です。表面は雨をはじくため、水気を気にする必要はありません。
牛革の防水性
・表面は防水ウレタン加工によって、水が通りません。
・革を鞣す(なめす)際、鞣し剤に3M社のスコッチガードTMを配合し、革内部にも撥水性を持たせました。
なめした後さらに、皮の表裏の間にある「コードバン層」を磨き出すことから「革の宝石」とよばれる高級素材。磨かれて銀面がないため軽く、丈夫さはそのままという優れた素材。コードバン層を持つ品種からしか取ることができません。6年経っても型くずれを起こしにくいのが特徴。表面は、汚れが目立ちにくいつや消しで仕立てました。